都心から約一時間で大冒険~軍港都市横須賀で探検気分

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東京湾と相模湾と二つの湾に面した海の街・横須賀。横須賀の最大の特徴は、軍港都市ということ。大日本帝国時代から現在まで重要な拠点で、軍事遺跡も多く残っています。都心から約一時間という近場でありながら、初めて訪れるため、定番スポットを巡ってきました~。

◆ 横須賀~軍港都市としての歴史

横須賀港は東京湾の入り口にあり、幕末の1853(嘉永6)年にペリーが浦賀に来航するなど、古くから江戸・東京の玄関口となってきました。明治以降は大日本帝国海軍の横須賀鎮守府が置かれ、軍港として整備。1865(慶応元)年には横浜製鉄所の設立が決定し、商港としても発展しました。現在ではアメリカ海軍施設と海上自衛隊の司令部が置かれています。

◆ 横須賀でしか見られないご当地クルーズ

横須賀に行くならば、絶対外せないのがクルーズ「YOKOSUKA軍港めぐり」。日本で唯一日米の艦船を見られるクルーズなのです。10:00から16:00まで一時間ごとに運行されており、45分間のクルーズが楽しめます。案内人の方が分かりやすく且つ面白く説明してくれるので、艦船の知識がなくても楽しめますよ。

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シーフレンド7で45分間のクルーズ

どんな艦船が見られるかは運しだい。毎日のように船が入れ替わります。私が訪れた日は、サンディエゴから寄港したという艦船が珍しいとのこと。「DDG-1000 USS Zumwalt」新型ミサイル駆逐艦、「LCS-24 USS Oakland」インディペンデンス級沿海域戦闘艦だそうです。珍しい艦船がいるからでしょうか、望遠レンズをもった方々が沢山いました。場所取りのため1時間以上前から並んでいた方もいたようですよ。

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サンディエゴから来た珍しい米艦船

自衛隊の潜水艦が5隻も泊っているのも珍しいそうです。圧巻でした。案内人さんによると、海上自衛隊のカレーは有名ですが、艦船によってカレーの味が違い、中でも潜水艦のカレーは絶品とのこと。

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5隻並ぶ潜水艦

護衛艦の「きりしま」の船上では自衛官の方が集まっていました。この日に入港したようなので、長い航海が終わった後でしょうか。自衛官の方々がクルーズに手を振ってくれました~。

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甲板の上に自衛官の皆さんが勢ぞろい

最後は粉氷艦「しらせ」。南極観測で活躍しますが、海上自衛隊横須賀地方隊に配属され、自衛隊が運用しています。厚さ1.5メートルの氷盤を粉砕して進みます。11月中旬に再び南極観測のため5ヵ月間の航海に出発します。見られてラッキーでした。

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ペンギンが迷い込むこともあるという「しらせ」

45分間のクルーズはあっという間。説明を聞いたり、写真を撮ったりしているうちに、時間が過ぎました。どんな船が停泊しているか、その日によって違いますので、何度もリピートしたくなります。

◆ バルチック艦隊を破った「みかさ」が横須賀に!

「YOKOSUKA軍港めぐり」の出航する汐入桟橋より、三笠公園まで徒歩15分。途中、米海軍横須賀基地前を通過していきます。

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世界三大記念艦の「みかさ」

三笠公園には世界三大記念艦「みかさ」が展示されています。日露戦争の際、東郷平八郎司令官が率いる連合艦隊が対馬沖の日本海海戦でバルチック艦隊を破りました。東郷司令官が乗船指揮する旗艦として、連合艦隊の先頭に立ったのが「三笠」。当時最新鋭の戦艦であり、日本を歴史的な勝利へと導きました。1926(大正15)年に「三笠」を記念艦として保存することになり、公開されています。

◆ 無人島「猿島」で探検気分

「みかさ」のある三笠桟橋から、フェリーに乗り、約10分で猿島に到着します。

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フェリーの上から見える猿島

猿島は1881(明治14)年から1945(昭和20)年までの64年間、民間の立ち入りが許されない旧日本軍の要塞島でした。旧軍施設や砲台跡など歴史遺産があり、豊かな自然が残る猿島は探検気分を味わえます。

鬱蒼と生い茂る草木。散策路を進んでいくと、左右7メートルの切通しが広がります。明治時代に山を掘りぬいたもの。苔むした緑の壁や草木、錆びた扉などジブリの世界のようです。

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タイムスリップをしたかのような切通し

切通しにはかつて実際に使われていた兵舎や弾薬庫がそのまま残っています。レンガ造りの旧要塞跡は、「国史跡」に指定されました。兵舎は大きな入り口1つと小さな入り口2つあり、入り口の上のアーチに要石があるのが特徴。弾薬庫は大きな部屋の横に、細い小さな部屋。細いお部屋は灯り取りのお部屋。弾薬庫は火が厳禁なので、隣の部屋にランプを置いて灯りを取ったそうです。また、弾薬庫の上には砲台が二つあったそうです。

切通しの先には「愛のトンネル」。レンガ造りのトンネルとしては日本で最も古い建造物で、中には旧軍の司令部跡や弾薬庫が設置されていました。フランス積みのレンガ建築ですが、日本で現存するフランス積み建造物は富岡製糸場などとあわせて国内4か所のみ。

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フランス積みのレンガ建築「愛のトンネル」

「愛のトンネル」を抜けた先にある三叉路は、有名なフォトスポット。木漏れ日が神秘的で、ラピュタの世界を彷彿させると人気です。

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まるでラピュタの世界

1周1.6kmほどの猿島は60分もあれば歩いて周れます。自分たちでのんびり散策もよいですが、より詳しく歴史に触れたいという方は、「無人島猿島探検ツアー」をお勧めします。

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猿島からの夕日

昼過ぎから半日で横須賀を駆け足で散策しました。今回は横須賀グルメ「海軍カレー」「ネイビーバーガー」を食べられなかったので、次回はグルメも楽しみたいと思います。

スタッフYN

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