昨年12月上旬に京都へ行ってきました。京都が好きで毎年行くのですが、よく訪れるのが吉田神社です。節分厄除け詣り発祥の社として知られ、例年2月2日~4日に亘り行われる節分祭には多くの人が訪れますが、普段は観光客が少なくとても静かなので落ち着きます。
吉田神社は、西暦859年に平安京の守護神として都の東北「鬼門」に位置する吉田山に創建されました。吉田山は東山三十六峰の1つに数えられ、別名「神楽岡」とも称され神霊の宿る場所とされています。
◆まずは本殿へ参拝

本殿は第一殿~第四殿まであり、第一殿・第二殿の御祭神は諸々の災難より逃れ幸福を勝ち取る厄除・開運の神、第三殿の御祭神は神祇の祖神であり思慮深き学問の神、第四殿の御祭神は女神として女性に特別の徳を授ける神様です。また、第三殿・第四殿は夫婦神として、良縁や夫婦和合の御神徳を授けてくださるそうです。
◆国歌にも歌われる「さざれ石」

本殿の近くには「さざれ石」があります。国歌発祥の地といわれる岐阜県春日村の山中にあったものだそうで、岐阜県の天然記念物になっています。さざれ石は石灰石が長い年月に雨水で溶解され、粘着力の強い乳状液が小石を凝結し巨岩となったのが「さざれ石」です。京都には下鴨神社と護王神社にも「さざれ石」があるとのことなので、訪れた際には探してみたいと思います。
◆菓祖神社
吉田神社の境内には様々なお社が点在しています。そのうちの1つ菓祖神社は、果物の祖と言われる橘を日本に持ち帰ったとされる田道間守命(たぢまもりのみこと)と、日本で初めて饅頭を作ったとされる林浄因命(はやしのじょういんのみこと)の2神が菓子の祖神として祀られているので、京都を中心に多くの菓子業界の方々から信仰を集めています。
◆料理人から信仰される山蔭神社
山蔭神社は、吉田神社創建に貢献された藤原山蔭卿(ふじはらやまかげきょう)を祀るお社です。山蔭卿は日本で初めてあらゆる食物を調理調味づけたといわれ、古来より包丁の神・料理飲食の祖神として多くの料理店や業界の方々が信仰しています。
菓祖神社・山蔭神社は共に、技能上達・商売繁盛の御利益があるそう。
◆重要文化財・斎場所大元宮
始まりの神である虚無大元尊神(そらなきおおもとみことかみ)を中心に祀り、その作用により生ずる八百万(やおろず)の神々を祀る事で全国の神々を祀る社とされています。故に、大元宮に参拝すると全国の神のご加護が授かれると伝えられています。
以前、かなり強い勢力の台風がきた時に、周辺の木が大元宮をさけるように倒れていたという話を聞いて以来、大元宮はパワースポットと思うようになりました。
毎月1日・正月3日間・節分3日間は参拝ができます。
◆大元宮から東参道を下り吉田山荘へ

吉田神社を散策した後、料理旅館・吉田山荘で美味しい京料理をいただきました。
吉田山荘は、昭和7年に昭和天皇の義理の弟君・東伏見宮家の別邸として建てられました。最初にくぐる表唐門は宮大工棟梁で文化功労者の西岡常一氏による作で、京都市内で唯一の作だそうです。
屋根瓦には皇室ゆかりの「裏菊紋」があしらわれていて格式の高さがうかがえます。玄関左手には丸いステンドグラスがあり、和と洋が融合した見事な建築様式を目にするだけで優雅な気分になります。
◆感動の葉皿料理




お食事はお庭が見える個室でいただきます。テーブルには女将さんが万葉集や古今集などから選んだ直筆の歌が一人一人に添えられていて感激しました。写真のお料理は、お昼限定の葉皿料理の一部です。一品一品ため息が出るほど感動的な美味しさでした。
綺麗な庭園を眺めながら美味しい京料理をいただき、幸せな時間を過ごさせてもらいました。
敷地内には「真古館」というカフェもありますので、そちらで休憩するのもオススメです。
スタッフK